まだ知らないまちの姿を取材して、多くの人と共有したいです。
川口直人さん(上山市PR活動 かみのやまさいぐべ代表)

子どもの頃からパソコン操作が得意だった川口さんは、生まれ故郷を盛り上げたいと2021年に(当時15歳)独自で市関連の地域情報サイト「かみのやまさいぐべ」を立ち上げました。そして、このまちにしかない「こと」、「もの」をインターネットで全世界に向けて発信し、人口や来訪者数の増加につなげようと活動しています。自身のライフワークとして実施しているもので、若干19歳である川口さん自身の成長とともに、その規模は現在進行形で拡大しています。

なぜ、かみのやまの情報を発信しようと思ったのでしょうか。
5歳の頃からパソコンを触りはじめ、中学校に入った頃にはホームページ作成や動画の編集などは簡単にできるようになっていました。足湯を巡って撮った写真を編集しては、インターネットにアップロードするなど、趣味の一環で情報発信をしていました。特に周囲の反響を期待していた訳ではなく、自分が好きな物事をネットで発信することが好きだったのです。
しかし、中学三年生の「公民」の授業で市の人口減少問題について知ると、何か自分なりに貢献できることは無いかと考えるようになり、その時に思いついたのが、かみのやまの情報の発信でした。それによって“何が変わるか”までは考えていませんでしたが、行ったことがない場所を訪れたり、知らないことを調べたりすることが好きでしたし、かみのやまの情報を発信するという行動は、僕にとってちょうど良かったのです。

どのような情報を発信しようとしたのでしょうか。
僕が運営しているのは「かみのやまさいぐべ」という、かみのやまのことに限った地域情報サイトです。観光や遊びをはじめ、大小合わせた地域ニュース、またイベントレポートなど、多くのコンテンツから構成しています。取り扱う情報を絞ってしまうと、カバーできる情報の幅が狭くなるので、現在はかみのやまのことであれば、制限なく発信するようにしています。過去には、全国の高速道路の料金所情報など、自分が興味のある情報をSNSやYouTubeで発信していたこともありましたが、かみのやまに限定した内容を提供することで、一定のユーザーが利用してくれているようです。

ユーザーを獲得するためにも、以前、人文字イベントを行うなどしましたが、その企画段階で意識したのは独自性です。情報というものは、すでに他の人が発信して根付いているものには敵わないし、ユニークなものでないと見てさえもらえません。まだネットへの掲載が少ない情報を扱おうと考えた時に、人文字はおもしろそうだと思ったのです。結果、多くの方に見ていただくことができました。
他にサイト内でよく読まれている記事は、公園の遊具の名前を紹介するというもの。情報的にかなりニッチなものですが、遊具の名前が知りたいというユーザーには、かなり訴求力があるようです。

サイト運営を通じて気づいたことなどはありますか。
サイトを立ち上げて1年がたった頃、一人でかみのやまの情報を取り扱うことの限界を感じました。当たり前のことですが、取り扱いたい情報が多くなれば自分ひとりではカバーできないところが出てきますし、また自分が得意としないジャンルの情報も増えてくるものです。
そこで、もっと広くこのまちの情報をカバーするためにも、このタイミングで個人活動からグループでの活動へとシフトチェンジすることにしました。幸運なことに、自分のほかにも「情報発信をしたい」、「興味がある」という想いを持つ人がいたので、すぐにメンバーになってもらい、情報を発信してもらっています。

このことが、全国的にファンがいる「温泉むすめ」関連や、このまちで何か活動がしたいと思う若者の交流の場「かみのやま若者つながらナイト」などの情報も扱えるようになり、より多くの人に見てもらえるサイトになりました。また、活動の中で出会った放送部に所属する地域の高校生と協力し、今度はかみのやまの若者が中心となって取り組む情2021年のサイト立ち上げから4年-報発信番組「かみのやま若者しゃべらナイト」の配信も行うことになりました。
2021年のサイト立ち上げから4年ー。取り扱う情報、携わる人や仕事の内容も、どんどん広がりが出ていますね。
今後、かみのやまにはどのように関わっていきたいですか?
世の中には数えきれないほどの情報があります。でも「かみのやまさいぐべ」としては、あくまで市内の人に情報が届けばいいと考えています。知りたい人が知りたい情報にいつでもアクセスできることを目標に運営していて、その上で近隣の市町村のみなさんからも情報を見てもらって、このまちへ興味を持ってくれればと思います。
生まれも育ちもかみのやまですが、今でも知らない場所がたくさんあり、いろんな発見をさせてくれる、とてもいいまちなのです。そんなかみのやまの魅力を多くの方に届けられたら嬉しいです。また、「かみのやまさいぐべ」の管理人として“発信したいものを発信していく”ことを念頭に、そこから様々なつながりがこれからも広がっていけばいいなと思いますね。

WEBサイト「かみのやまさいぐべ」→https://www.kaminoyamasaigube.com