懐かしい故郷で第二の人生。地域を楽しみながら生きていきたい 。

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IMAGINE-今人-

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懐かしい故郷で第二の人生。地域を楽しみながら生きていきたい 。

工藤敏夫さん(葉山JB会)  

かみのやまで15年以上続く、クアオルト(健康保養地)でのまちづくり。葉山早朝ウォーキングに参加し、毎朝楽しく歩き続ける工藤さんの姿は、まるでその取組が目指す姿を体現しているかのようです。地元の素敵な仲間達、そして時には観光客も交えてのウォーキングからは、今日もさまざまな繋がりが生まれています。 

工藤さんはいつから早朝ウォーキングに参加したのでしょうか。

初参加は9年前。当時宮城に住んでいた私は、定年後の生活でいわゆる肥満に悩んでいました。お医者さんからもいつ倒れてもおかしく無いと注意されるほどで。かみのやまには母の介護のために通っていましたが、ある日偶然銭湯で、葉山早朝ウォーキングのことを知りました。その時は、クアオルトのことは知りませんでしたがちょうど良い運動になりそうだと参加してみたのです。私は小・中学校をかみのやまで過ごしたのですが、その朝の参加者の中には、数十年振りの同級生がちらほら。びっくりしましたね。今思えばその再会は、ウォーキングを続ける上で良いきっかけになったのかも知れません。はじめは月に半分の頻度。しかし、次第に歩くことが楽しくなり、いつの間にか妻も一緒に歩くように。結果4年前に、妻とかみのやまへ移住しました。メンバーこそ入れ替わりはありますが、今は毎朝仲間達とウォーキングを楽しんでいます。 

クアオルト=ウォーキングと言うことでしょうか。

それはちょっと違います。私的には適度に運動して、バランスの摂れた食事をして、せっかくだから温泉に入っていれば、健康な暮らしができるでしょってことがクアオルトの考え方かなと。ここには健康保養地としての資源が揃っていますから。その入り口がウォーキングかも知れないけど、決してそれが全てではなくて。私達、葉山JB会での早朝ウォーキングは、歩きたい人が早朝集まり、みんなで楽しい時間を共有しているという感じで、歩くのはもちろん体操したり、お茶をしながら談笑したり。それは心の健康にも繋がり、結果的にクアオルトの考え方である「心と体がうるおう体験」になっているという感じです。運動を頑張っているつもりはありませんが、280あった中性脂肪が今では92に。ウエストだって110cmから95cmまで落ちました。体重も落ち、数値的には私もすっかり健康体です。でも、精神的な健康が向上したということの方が、私にとっては価値のあることだと感じています。 

そもそもJB会って、オフィシャルな団体でしょうか。

そんな大層なものでは全く無く、参加自由のアマチュアの集まりです。会の名前も、参加者の大半が私のような「じじい」と「ばばあ」だからからのJB。でも、そう言うと聞こえが悪いから、一応外向きには「J(ジャパン)・B(ビューティ)クラブ」と名乗っています(笑)。本当に心から楽しい集まりで、それもあってか毎日いろんな方が出入りしてくれて、一緒に楽しい時間を共有しています。ここ数年でさらに面白さ可笑しさが加速したようで、共感してくれた観光客の中には、葉山JB会の早朝ウォーキングに参加するために、年に何回もかみのやまを訪れてくれる方も増えています。私は葉山JB会の様子を多くの人に伝えるべく、FacebookやInstagramなどのSNSで、毎日情報発信しています。それもあり、参加者やリピーターが少しずつ増えてきているので、あくまで主催者側では無く参加者のプロとして、この活動は続けていきたいと思います。 

工藤さんの今後の展望などについて教えてください。

私は特に行政側の人間では無いし、一人のアマチュアとして楽しくて、早朝ウォーキングやかみのやまのクアオルトウォーキングに参加しているだけなので、こうしたいという明確なビジョンはありません。だけど、こうなったら良いな、ああなれば良いなという思いはあるので、SNSでの情報発信は続けたいです。毎日の活動や今後の予定を多くの人に向かって発信していれば、それはかみのやまへの、一人でも多い集客に結びつくかも知れませんから。たまに、昔のかみのやまを夢に見ます。お土産屋の軒が連なり、人が市街に溢れていた。あの頃の賑わいが戻ればいいなと思いながら、先ずは自分がやれることを地道にやっていきます。 

あらためて、工藤さんにとってのかみのやまってなんですか?

それは、歴史がある温泉街であり、5年前に65年振りに帰って来たかけがえのない故郷です。人情に厚い人が多くて、温泉町の旅情を色濃く残しているとても大切な場所。取り敢えずは、まだ日本にこんな素敵な地方が残っていることを知ってもらい、この街の良さを多くの人と共感したい。人生は短いようで長いのです。その後半戦にも光が当たる街ってそう無いですから、老いも若いも楽しめるまちとして知られるようになったのなら、私もさらに楽しく毎朝のウォーキングに参加できるのではないかと思います。 

これからもずっと葉山JB会の仲間と一緒に、かみのやまの朝を歩いて行きたいですね。 

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