Spotlight
posted2025.01.09
ふるさとの情景を照らす、人々の変わらない心
宮城県七ヶ宿から上山を通り、秋田、弘前へと続く羽州街道。かつて、参勤交代の大名や出羽三山詣での行者など、多くの旅人が行き交いました。
道中に位置し、宿場町として栄えた「楢下宿」では、築200年を超える茅葺屋根の古民家や風情ある街路が地域住民のみなさんの手によって大切に保存・活用され、日本古来の美しい情景とともに、旅の疲れを癒やした温もりを今に語り継いでいます。
寒さ厳しい冬の夜、この楢下宿で開かれる「雪の提灯回廊」。
古民家「大黒屋」を中心に家々の軒先には提灯が灯され、雪景色のまちなみに往時の面影をそっと呼び起こします。
「美しいふるさとを多くの人に知ってもらいたい」という願いを込め、地域住民のみなさんや市観光物産協会、市役所の若手職員たちが協力しあい作り上げた、2025年で4回目を数える新しい催しです。
長い時を経て、人の生活や価値観は変わっていきます。
地域の姿も少しずつ形を変えていますが、伝統を積み重ね、また新しい歴史を歩みながら、それでもなお変わることなく息づくものがあります。
それは、かみのやまの人々の〝人情〟という灯りー。
提灯回廊のように、これからもまた、ふるさとへの想いとともに、優しくまちを照らし続けていきます。